奥手な二人の両片思い
参拝を終えておみくじを引いた。



「おお~! 大吉だ~!」



えーっと、恋愛は……“信じよ 誠実に向き合え”

よっしゃ! きっと告白できると信じよう!


両親を見ると嬉しそうな様子で話している。

大吉だったのかな?


一方みゆ姉は……。



「嘘でしょ……」



絶望的な表情でおみくじを見つめている。

後ろからこっそり覗くと、おみくじには凶の文字が。


男遊びしたバチが当たったのかな……。

心を入れ替えて、これから頑張ればきっといいことがあるよ。

と、心の中で慰めた。



両親がお守りを買っている間、神社内を散策していると、突然肩をポンと叩かれた。



「よっ怜也! 久しぶり!」

東馬(とうま)!」



「久しぶり〜!」と盛り上がる。

彼は中学時代の友人。確か綿原さんとも仲良しだったっけ。



「相変わらず背高いなぁ」

「そっちも相変わらず小さいなぁ」

「いや、お前がデカいんだよ」

「いやいや、お前が小さいだけだろ~」



笑いながら頭をポンポンすると、少しムッとした顔で睨まれた。

高校は別だけど、家が同じ学区内で近いため、今もたまに遊んでいる。
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