不器用同士

「ちょっと待ってよ!」


もう出入り口の門まで行っている2人に目掛けて叫んだ。


叫んだことにより、より注目を浴びたので走って2人のもとに行く。



「さ、瑠璃ここから歩いてよ。お兄ちゃん腕が痛くなっちゃう」


妹、瑠璃ちゃんをゆっくり下ろすと手を繋いだ。



「じゃあ、こっちの手はお姉ちゃんね!」


いきなり下からぐいっと引っ張られて少しよろける。



瑠璃ちゃんに手を繋がれ、動揺を隠せなかった。



誰かと手を繋いだことがすごく久しぶりで、不思議な感覚がする。


瑠璃ちゃんの手は子供体温であったかくて、少しでも力を入れると潰れそうなくらい小さくて優しく包み込んだ。


そんな私を見透かしているのか、相楽くんはふっと笑った。



「ふふー」


私と相楽くんに挟まれて嬉しそうに笑う瑠璃ちゃんを見つめる相楽くんは、すごく優しい顔をしていた。


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