天魔の華は夜に咲く
4人から解放されたセンジュはその部屋で1人、ベッドに横になっていた。

この部屋が自分に与えられた部屋だとフォルノスは言って去っていった。


「はぁ・・」


_本当に、一体何が起きているんだろう。夢じゃない・・んだよね。実感湧かないけど。


肩に食い込んだフォルノスの指跡を擦る。


「死んだと思ってたパパが生きてて・・しかも人間じゃなかった」


口に出すと、更に実感が湧かない。目を閉じれば自分の家に帰れるんじゃないかと何度も目を閉じたり瞑ったりを繰り返し続けた。


「ママ・・・」


母が死んだことすら認めたくないというのに。


_ママはパパの事何も教えてくれたこと無かった。私が赤ちゃんの時にしんじゃったのよって・・それっきりで。ずっとそう信じてたし・・。


「うーん・・・頭が変になりそう」


クイーンサイズのベッドをごろごろと行ったり来たりした。

転がっても答えは出るはずもないが。

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