天魔の華は夜に咲く
「センジュ様、センジュ様、起きてくださいませ」


「ん・・んーー・・」


「姫様、もうお時間でございます」


近くでリアの声が聞こえる。

センジュは羽毛布団にくるまりなかなか目を覚まそうとはしなかった。


「センジュ様」


「ん・・ママ・・?」


「センジュ様、急がねばフォルノス様に叱られます、起きてくださいませ」


_フォルノス?・・って誰だっけ・・?


「んー?」


センジュがゆっくりと起き上がり薄っすらと目を開けるとリアが困った様子でのぞき込んできた。


「!!」



_そ、そうだった!!私、パパに魔界に連れてこられて・・う、なんか頭痛い。


頭を抱えながら見上げると、ドアの前にはすでにフォルノスの使いの者が待っている。

焦りでイライラしている様だった。


「フォルノス様を怒らせたらどうなるか・・」


「え!?どうなるの!?」


思わずリアに聞いてみたが、リアは首を横に振った。


「センジュ様はともかく私やあの者が手打ちにあうかもしれません」


「え!?えええっ!?」


_どうしてそうなるの!?


急いで起き上がり用意された服に着替える。


「魔王様を除いて、フォルノス様は魔界一冷酷でございますから」


氷の様な表情が脳裏に浮かびあがる。


「あああっそんな感じがする~~っ」



焦りながら顔を洗い髪を整えた。


_面倒くさい事この上ないよ!この生活!!!てか、なんでこんな頭痛いの!?


二日酔いだとは本人は気づいてはいない。
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