綺桜の舞う
「私をここに呼び出したのは、足留め?」
「です。今日の叶奏さんは湊さんのバイクに乗ってきたみたいなので。
叶奏さんのために誰か残らないといけません。
少しでも戦力を削りたくて」


戦いを繰り広げながらも悠々と話を続ける成くん。
実力は、高い。


「あなたが私の相手をしてくれるの?」
「叶奏さんを満足させることは難しいと思いますけど」
「私は血生臭い人間じゃないからできればこういうのはしたくないけどね」


私は飛び上がって、真っ直ぐ成くんに脚を下ろす。


「伊織さんとの戦いのやつですね」
「流石に2度も同じ手は食わないか」
「伊織さんも食らってなかったですよ」


ザッと砂を鳴らしながら着地。
真っ直ぐ成くんを見つめる。


「お金、いくらくらいもらったの?」
「……なんのことですか?」
「ごめんね、ちょっと調べちゃった。
妹さんの学費の足しにはなりそう?」
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