夢みたもの

秘密

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「あれ、雪村さん?」


ユーリと連絡先を交換してまた会う約束をしたあたしは、音楽室を出た処で声をかけられた。


「珍しいね。今日は1人?」


驚いて声がした方を振り向くと、荷物を抱えた宮藤君が廊下を歩いてくる処だった。


「こんな処で何してるの?堤は?」


宮藤君は周りを見回して航平が居ない事を確かめると、首をかしげてあたしを見た。


「確か、前もここで会ったよね?」

「あ、うん・・・」


初対面の時を思い出して、あたしは鞄を抱えてじりじりと後退りした。


「嫌だな・・・そんなに警戒しないでよ」

「・・・」

「ほら、今日は荷物が多いから大丈夫だよ」


肩をすくめて小さく笑うと、宮藤君は音楽室にチラリと視線を向けた。


「雪村さん、音楽室に何か用事?前も気にしてたよね?」

「え?」

「1人って事は・・・堤に言えないような事でもあるの?」


あたしは鞄を強く抱えて、慌てて首を横に振った。


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