夢みたもの
「ホント 君達2人を見てると、もどかしくてイライラするよ」

「‥‥」

「片方は、恐ろしい程独占欲が強いくせに、肝心な処で臆病になる。‥そしてもう片方は、未だ自分の気持ちに気付けない鈍感ときてる」

「‥‥」

「お互い変わらないと、いつまで経っても今のままだよ?」


宮藤君は口元を歪めて苦笑した。


「‥‥じゃぁ 俺はそろそろ行くね?」


そう言ってスポーツバックを肩に掛け直した宮藤君は、あたしの顔を見て小さく笑った。


「また‥理解出来ないって顔してる」

「‥え?」

「そろそろ気付いても良い頃じゃない?自分の気持ちに向き合った方が楽になる事もあるよ?」


「‥‥それって‥、あたしが鈍感って事‥?」


呟くようにそう言うと、宮藤君は吹き出して笑った。


「あぁ‥そういう反応なんだ?‥やっぱり雪村さんって面白いね」

「‥‥」

「一緒に居て全然飽きない‥‥堤が羨ましいな」


「‥航平は、別に‥‥」


「関係ない」そう続けようとしたあたしの言葉は、宮藤君の言葉に遮られた。


「アイツは今 怖がってる」

「‥‥怖がってる‥?」


意味が分からない。

言われた言葉を繰り返して首をかしげると、宮藤君はまた小さく笑った。



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