夢みたもの

日記

おじさんの日記

あたしの出生について書かれている日記。


母とあたしの為だと、崇さんが言い、あたしの幸せの為だと、ユーリが言った。


それは

一体、何が書かれているの‥‥?



時間の経過を感じさせる、茶色に変色した紙。

あたしは一息吐くと、それを1枚、慎重にめくった。



「‥航平‥‥これ‥」


最初のページに書かれた言葉。

あたしの目は、その言葉に釘付けになった。



最初のページに書かれていたのは、たった一言。



  §──・…‥:‥…・──§ 


愛する ひなこへ


  §──・…‥:‥…・──§  



「日記‥って言うより、ひなこへの手紙みたいだ」


航平がそう言って、そこに書かれた言葉を指でなぞった。


「叶の父親は、ひなこがこれを読む事を想定して書いたのかな?」

「‥‥」


あたしは航平の言葉を聞きながら、ただ、そこに書かれた言葉を見つめた。



『愛するひなこへ』

それは、思いもよらない言葉だった。



「次‥良い?」

「うん」


あたしはまた、慎重にページをめくる。


次に何が書かれているのか‥‥

不安と期待で鼓動が速くなった。



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