夢みたもの
日記には、崇さんが母に言っていたように、事実が事細かに書かれている。

もしかしたら、興信所の調査結果を抜き出してしているのかもしれない。


それは、あたしの過去の全てを曝け出すという事だった。


「‥‥」


今まで航平には、あたしの過去について大まかにしか話していない。

以前、母達の会話を聞いたと話していたけれど、それだって、あたしの話とそれ程変わらない筈だ。


でも、今、この日記を読んで、より詳しくあたしの過去を知っても‥‥


航平はそれでも、あたしの側に居てくれる…?



「嫌いに‥ならない‥?」

「‥え?」


航平が驚いたように目を見開いてあたしを見た。


「何で?」

「だって‥‥」


言い淀んだあたしは、航平の視線を避けてうつむいた。



「あたし‥‥汚れてるでしょ?」

「‥‥」

「この日記を読んだら、あたしの汚れた処を一杯知って‥‥」

「‥‥」

「そしたら‥」


言葉に詰まる。

その先を口にしたら、航平が本当に離れてしまうかもしれない。

不安で口をつぐんだあたしの頭上から、航平の声が聞こえた。



「『そしたら』‥?」

「‥‥!!」


耳に届いた航平の落ち着いた声。

その声に、あたしは恐る恐る顔を上げた。



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