御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜
降り注ぐ夏の日差しの中、快適な室温のA terraceには、私達の大切な人が沢山集まってくれていた。

一度外に出て、司会者の言葉と共に入場した私達をゲストが拍手と共に温かく迎え入れてくれる。私達は緊張することもなく、チャペルの時より余裕を持って、ゲストの顔を見ることができた。

改めて見渡すと、懐かしい顔。今お世話になっている方々。皆さん笑顔でここの雰囲気を楽しんでくださっているのがわかる。
ラッピングされた椅子とテーブル。テーブルの上には淡いオレンジとグリーンの薔薇。いつもとは全く違う、ウエディング仕様のA terraceになっている。
でも、やっぱりいつも通り、陽の光の中の開放感がここの最高のおもてなしだ。

「いいな…。皆んなここを楽しんでくれてる。
花のA terraceはやっぱり最高だ。」

「寿貴先生…。うん。ここで出来て良かった。賢人くんに感謝だね。」

「ああ。」

私達は提案し、お願いしただけだ。
動いてくれたのは全て賢人くん。
私にとっては旧い絆。
寿貴先生にとっては新しい絆。
この絆に感謝しかない。



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