幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
パンケーキの店は商業施設の中にあり、その中でも外観がひときわおしゃれで高級感漂っていた。かと思えば店内は可愛らしく、確かに政宗が一人で来るには抵抗感があるかもしれないと小春は思った。同時に、二人でこの店にいること自体やはりデート感が強く、変に意識してしまう。

「小春はどれにする?」

メニューを広げると、思ったよりたくさん種類があって迷ってしまう。パンケーキは種類がなく、パンケーキ一択だと思っていた小春は優柔不断に目移りしてしまった。

「どうしよう。このイチゴの乗ってるやつか、あずき抹茶アイスが乗ってるやつ。迷っちゃう」

どちらも美味しそうな写真のメニューで、小春はうむむと考え込んだ。

「じゃあ、その二つにして半分ずつ食べよう」

「えっ?!政宗くんはそれでいいの?」

「いいよ。俺は迷って決められないから、小春の食べたいものでいい」

そう言って、政宗はたっぷりイチゴのパンケーキとパンケーキあずき抹茶アイス添えを注文した。

小春に代わって注文してくれるのも、パンケーキを半分こするのも、まるで恋人みたいで嬉しさが込み上げる。なにより、政宗と二人で出掛けること自体が嬉しくてたまらなく、小春はじたばたしたい気持ちを必死に抑えた。
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