拾った宰相閣下に溺愛されまして。~残念イケメンの執着愛が重すぎます!~

 目を三角にして、フィアナは答える。だって、もしその仮説が本当なら、フィアナがかまえばかまうほど、エリアスは面倒くさくなっていくということではないか。

 いっそのこと、これからずっと無視してやろうか。そのように腹の内で考えたフィアナを見透かしたように、「だから、そうも見えるってだけよ!」とキュリオは苦笑した。

「まぁ、もし本当に迷惑なら、ガツンと言ってやりなさい。大丈夫よ。それで逆切れするような男だったり、マルスちゃんが言うみたいにわぁるい遊び目的のクズ男だったら、私がエリアスちゃんをもいじゃうからっ」

「もい……?」

 何を、というのは聞かなかった。世の中はっきりさせないほうがいいことも、たまにはある。

 けれども、キュリオのおかげで大分すっきりした。たしかに、あれでもエリアスはこのメイス国の宰相なのだ。あのふざけた言動の数々が彼の本性と考えるよりも、フィアナと戯れるために敢えてああいう態度なのだと考えたほうがよほど説明がつく。

(……ふふん。だとしたら、はっきり言ってやろうじゃないの)

〝エリアスさんってば、そうやっていっつもからかって。ダメですよ? 楽しいからって、そんなにはしゃいじゃ〟
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