勇者がうちにやってきた▼【完】
二次元に依存する私のもとに、異世界から個性的な連中がやってきた。

脱力系と見せかけて案外礼儀正しいけど、やっぱり根はゲスくてクズいお金大好き勇者。
陰では苦労が絶えない被害者ポジションを担っている、お馬鹿だったりシャイだったりな家政夫魔王。
抜群の美貌に反して傲慢・怠惰・強欲の三拍子を揃えてしまった、ゴリラ顔負けの怪力を秘めた腐女子姫。
ふわふわ癒し系と思いきやレズっ気炸裂の真正マゾヒストな、Hカップ巨乳魔導師。
アクセジャラジャラ、髪はモリモリ、テンションアゲアゲ、イケイケマジヤバ極めてるチャラ親分。
そして私にとって最大の癒しでもある、お利口な番犬ハスキーのギン太。

かくして六人と一匹のひとつ屋根の下での生活が幕を上げたわけだけど、


「チトセよ!いつまで寝ているのだ!さっさと起きて朝ご飯を食べんか!」
「うるっさいなぁ、分かってるよ」


一人暮らしの時と比べて、賑々しいを超越した騒々しさに正直げんなりしている。
部屋の前から呼びかけてくるマオちゃんにも、思わず荒っぽい返事をしてしまった。
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