勇者がうちにやってきた▼【完】
「まさかあの強盗事件のあった、あのコンビニ!?」
「はい。履歴書を買いに行った時に店長にお会いしまして。仕事を探しているという旨を伝えたところ、是非うちで働いてみないかという、有難いお話をいただいたんです。しかも以前のお礼も兼ねてか、ちょっとだけ時給盛ってくれました」


それはたまげた。こんな縁もあるもんなんだなぁ。
なんにせよ二人の良い知らせが聞けて本当に良かった。


「チトセよ、貴様も何か報告があると言っていたな?」
「あ、うん」


マオちゃんに訊かれて思い出す。
姫は部屋かな?親分も外出していないみたいだけど、とりあえず先に三人に知らせておこうか。
みんなどんな反応をしてくれるかな。ケーキ喜んでくれるかな。
私はテーブルに置いていたケーキの箱を手にとってから口を開く。


「あのね、実は私も――」
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