勇者がうちにやってきた▼【完】
「ほい!今月の生活費だぜー!」


朝帰りの親分から分厚い紙封筒を受け取る。
その厚みから予想できる通り、中には大量のお札が。無論諭吉である。


「こんなに!?」
「オレってば店の№1に君臨しちゃったりしたもんだから、そりゃもうガッポガッポよ」


ただのチャラい男だと軽蔑していたけど、ここまでくるとだてにチャラいだけじゃないことを証明している。
ていうか未知の世界だったから知らなかったけど、本気を出せばホストってこんなに稼げるものなのか。
目の前で親指と人差し指をくっつけて輪を作っている親分を前に、こんな男のどこが良いのだろう、と貢いでくれている女性の神経を疑った。
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