天色ガール
お披露目会
ガヤガヤガヤ。
廊下からでも「うっしゃ自習だ!」「何して遊ぶー?」そんな教室内の楽しそうな声が聞こえてくる。
っておい、あいつも職権乱用したのかよ!
呆れながらガラリと音を立てて中に入ると、生徒たちの視線が一斉にこちらへ集まった。
─────好奇、嫉妬、嫌悪の目。
けれどそんな事は一切気にせず席へ向かうあたしに、
「おはよっス!」
「どこ行ってたのー?」
「さっき荒野が探してたけど」
すでに学校に来ていた信号機が笑顔で話しかけてくれた。
「おはよ」
みんなにつられて笑って挨拶すれば、なぜかバッ!と顔を背けられた。
え、なに。
何か変な顔だった!?
「───八永って呼んでもいいスか?」
両手で頬を包みながら席に着くと、太郎が無邪気な笑顔で「俺らのことも呼び捨てでいいっスから!」と。
「…いいよ」
やっぱり許可制なのか。