天色ガール
勢いよくドアノブを捻って押せばなぜかドアが開いた。
……え、もしかして鍵が掛かってなかった…?
「っおいテメェ!何しやがんだよッ!!」
ガシッ!と誰かに胸ぐらを掴まれた。
相手と身長差があったせいか一瞬だけ体が浮く。
見上げれば、あたしの胸ぐらを掴んでいない方の手でさすさす自分の頭をさすってる男と目が合った。
少し黄みがかった赤髪に、切れ長の黒い瞳。
癖のない真っ直ぐな彼の髪がサラサラと風に揺れている。
中性的で綺麗なその顔立ちは、荒々しい口調とまったく合っていなかった。