天色ガール

……イケメンイケメンって、女ですいませんね！


そう思った時、昨日の屋上にいた美形集団の姿が脳裏をチラついた。




「(なんというか、個性が強かったよな…)」




そんなことを考えながら教室を見回す、と。あたしは気づいてしまった。




まず、女子の数が圧倒的に少ない！



大体クラス内の男女比は7:3くらいで、しかもみんなメイクが……すごい。やばい。ケバい。


……とまあ、あたしの語彙力が恐ろしく低下するほど派手だった。




そして、2-Aの生徒は全員が髪を染めてる！！



一番マシなのは焦げ茶かな？黒一色は一人もいない。


あたしも黒一色ではないけど…自己紹介の時に“黒髪だ！”と叫んた奴もいたくらいだ。黒髪はかなり珍しいんだろう。




前に父さんから聞いた『かなり校則が緩くて自由な学校』というのは間違いではなかった。


ただいくら自由とはいえ、“制服”と“上履き”は絶対に学校指定のものを着用しなければいけないらしいけれど。




「お前ら！いい加減静かにしろ！！」




ギャーギャーうるさかった生徒達はコウが怒鳴るとすぐに静かになった。…やっぱり恐れられてるんだ。




「アメさんの席はあそこです」




静かな中、コウが指したのは窓側の一番後ろの席。



1番いい席じゃん！


そう思ってコウを見れば、他の生徒達に見えないよう教卓の裏で親指を立てていた。



こいつ、最高だ…！！



あたしもコウだけに見えるよう、こっそりと自分の親指を立てた。