いつかメロディを。
5年前くらいに再建築された綺麗な学校について、スリッパを履く。
スニーカーをビニール袋にいれて職員室に向かっている途中、低身長の先生とすれ違った。


「おはよう。」


チビで顔のでかい私の担任、前川先生は爽やかな笑顔を見せた。いや、爽やかじゃないな。なんかキモい。
っていうか、私前川先生に用事あるんだけど挨拶の返事をする暇もないまま行っちゃったな…。とりあえず、職員室行くか。

職員室のドアを叩いた。

「すいません…」

少しドアを開けて言う。朝の先生達はみんな忙しそうで聞こえていないようだった。あたしは声をはりあげた。

「すいません！」

手前の女の先生が振り向く。結構年配のようだ。

「あら、転校生の子よね。前川先生のクラスの。」

「あ、はい。」

「そういえばさっき出て行っちゃったわ。すれ違わなかった？」

「すれ違いましたけど、声掛けれなかったです。」

「あ、そうなの。もう少しで戻ってくると思うわ。少し待っててもらっていい？」

「わかりました。」


なんて、あたしはしっかりコミュ障を発揮する。職員室から出た瞬間、後ろのドアから前川先生がやって来たようで、さっきの女の先生にこえをかけられていた。
前川先生はこちらにやってきて、大きめの振りで、そして大きめの声で謝った。


「ごめんなー、橋爪。」

「いえ」


職員室の時計を見ると朝の本鈴の2分前だった。
先生達は慌ただしく職員室を出ていく。さっきの女の先生も。
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