150センチのママ~不妊治療を乗り越えて~



病院に着くと、いつも以上に駐車場も、院内も混み合っていた。


子連れの人が多かったのは偶然なのか、明らかに私よりも若いお母さん達が2人目らしいお腹を抱えて受診していて……


正直ちょっとだけ羨ましくもある。


ここにいられるだけで幸せな事。それはもちろん分かっているけれど、不妊になんて悩まずただ素直に笑っていられる人生もきっといいもんだと思うから。


ドキドキが抑えられないまま、時間が過ぎて行き……


名前を呼ばれた時には既に2時間近くが経っていた。


「桜木葵さんですよね?えっと……○○町の」


看護師さんに聞かれて頷くと、中に通される。


どうやら同姓同名の人がたまたまいたらしい。


どうせ、私の名前(本名)はありふれた名前だ。


< 75 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop