キミと、光さす方へ
「どこが似てるんだよ」


勇人はため息交じりに言う。


今日も言えなかった。


告白できなかった。


そんな虚脱感が漂っている。


けれどあたしはそれすら気がつかないふりをした。


泉ごめん。


やっぱりあたしは手を伸ばすことができない。


臆病者で、弱虫で、本当に情けないと思う。


「全然違うだろ」


勇人はそう言うと、そのままあたしに背を向けて十字路を右へと折れて行ってしまったのだった。
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