俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

身を隠したまま、一人で歩いている伶士を追って移動する。

他の連中には見つからないように、辺りを見回して注意し、そこから離れていく距離を確認しながら。

もう間もなくだと思うと、胸の中に緊迫感が張り詰める。鼓動が強く早くなり、吐き気に近い物となって緊張を堪えていた。



伶士の背中を追っていくと、間もなく学校の敷地から出て民家と空き地の隙間である抜け道に差し掛かる。



接触するなら、今だ。



「…伶士っ!」



一気に姿を現し、その背中に声を掛ける。



(…ん?)



と、同時に。伶士の首の後ろがキラッと光った。

それは何か、目を細めて凝視する。

だが、その確認も儘ならないまま、伶士は立ち止まり、徐にこちらを振り返った。



「………」



私が声を掛けても無言で、表情すら変えない。

私を見ている目も…冷たい。まるで嫌いなヤツに話しかけられて不機嫌になったような態度だ。

しかし、目の焦点がなんとなく合ってない。その瞳に光が灯されていないような印象から、何らかの意識操作がされていることを確信できる。

やっぱり…!
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