俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

だが、それだけ体調が思わしくないということなんだろう。

そう推測してしまうと、何ともやり切れない思いが生じてきて…それが自分のせいだと思うと、なお胸が痛い。



何で、こんなことになっちまってるんだよ。

俺が囚われて、救おうとしたばかりに、こんな姿になっちまったのか?



先行していた『会いたい』という気持ちは、実際顔を見たことで昇華されたが。

それが無くなると、次に襲ってきた感情とは…『罪悪感』ともいうべきか。



「で、あれからどんなことになったのよ」



その場に立ち尽くしたまま、川村は尋ねた。

中に入ろうとしないのは、恐らくここで待機している俺を気遣っているからだと思う。



「どんなことってなんだよ…」

「日曜日、伶士殿を連れ戻しに追っかけてったんだろ。そこでやり合ったのか。で、こんな萎びたきゅうりみたいになってんのか」

「まあ…」

「で、敵さんは倒したのか」

「まあ…運良く。…ま、私のことはいいから」

「運良く…?まさか、ヤバかったのか?」

「まあまあ、いいっつってんだろ。私のことは」

「あぁ?」

< 352 / 541 >

この作品をシェア

pagetop