キミと同じ世界

数十秒後、同じくまだ頭が起きていないだろう母親が、寝室から顔を出す。


「おはよう、ミズキ、、今日は弁当いるの?」

後頭部の寝癖がピョンとハネて、目を擦りながら尋ねている。


私と同じくらいの身長で、40代だとは信じられない童顔。

よく姉妹と間違われるほどだ。



「おはよう。今日は始業式だけだから、要らない。明日から、またお願いしますっ」


「了解!じゃあ、朝ご飯作ってくる。
亮ちゃん、手伝って」


ビシッと効果音が付くように、敬礼のポーズを決めて微笑む母親。

その横で、白羽の矢が立った父親も「ラジャッ!」と同じように敬礼をした。


その光景に、ふふっと笑みが溢れる。



幼い頃から変わらない、両親の姿。


揃って一階に降りていく背中に、いつか自分も二人のような夫婦になりたい、と思いを馳せる。


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