オレにしか、触らせるな!

「はい…」



「傑くん
明日、大丈夫?」



「あぁ…うん…」



「明日、天気悪いみたいだし
映画とかどぉですか?」



「映画…実は今日行ったんだ」



「そーなんですか、残念…」



「ごめん…」



「彼女さんとですか?」



「や、彼女とかいないけど…」



「でも…
彼女じゃないけど
好きな女性とですか?」



ドキ…



「あー…んー…」



「やっぱり…
…
私には気がないんだな…ってわかってました
傑くんから電話くれないし…
…
あ、でも、Tシャツは気に入ってるので
返せません!今日、着てます」



スマホからアスカちゃんの笑い声がした



「うん、いいよ…」



「ないと思うけど…
気になった時は傑くんから連絡くださいね
…
明日は会わないことにします
Tシャツありがとう」



「ごめん…アスカちゃん」



「ぜんぜん大丈夫です!
あ!電話もらっても
もし私に彼氏できてたら
出れないんで…」



「うん、わかった」



「傑くんも無理に出なくてよかったのに…
好きな人いるなら…
…
優しいですね、傑くん
…
あ、今ももしかして
近くにいるんじゃないですか?」



「あー…んー…」



「それは失礼しました!
おじゃましました!
じゃ、切ります!」



通話が切れた



優しいのはアスカちゃんで

オレは優しいわけじゃない



アスカちゃんの優しさは

人を傷付けない



オレは

人を傷付けてる



< 195 / 272 >

この作品をシェア

pagetop