私しか、知らないで…

「すみません
緑ヶ丘高校の藤森です」



「ご苦労様です」



「先生…」



「花澤、大丈夫か…?」



「…大丈夫…じゃない…
こわかった…こわかったよ…先生…」



帰りの電車で痴漢にあった


電車の窓には泣きそうな私と
知らない男の人が映ってた


怖くて脚が震えた



親じゃなくて

学校に電話した



先生の車で家まで送ってもらった



「ごめん
オレが仕事頼まなければ…」



「先生の、せいじゃない…

なんでかな…
みんな私のこと女の子に見てくれないのに…」



最低な日



先生にフラれて

痴漢にあった



「そんなこと、ないと思う」



先生はそう言って

私の膝に自分が着ていたジャケットを掛けた



ずっと我慢してた涙が頬を伝った



何の涙?



先生にフラれたこと?

痴漢にあってこわかったから?



んーん…違う



先生が迎えに来てくれて

優しかったから



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