許す事ができるの?

引っ越し日が決まると
陽史さんから、
「両親を安心させたいから
両親に会ってもらえないだろうか?」
と、私と咲茉に話があった。

私達は、
「「喜んで。」」
と、答えると、嬉しそうに笑う
陽史さん。

私は、律の母親の由紀子さんに
陽史さんとの事を報告した。

由紀子さんは、自分の息子を選ばなかった
私を嫌がるわけでも
落胆するわけでもなく
すごく喜んでくれた。

律には、言う必要ないかとも思ったが、
由紀子さんから、
「私から話しておくから心配ないわよ。」
と、言って貰えた。

今日·····
陽史さんのご両親に挨拶に行く。

緊張している私を
咲茉と陽史さんは、笑っていた。
「だって····嫌われたら
どうしょう?とか思うじゃない。」
と、言うと
「絶対、そんなことないよ。
逆に、こんなので良いのか
って、言われるよ。」
と、言う陽史さん
「えっ、私のお母さんを
嫌うなんてあり得ない。」
と、言う咲茉。
二人の言葉にほっとしながら
「そうだと良いけど。」
と、言いながら
陽史さんの運転する車は進んで行く。

あの日、陽史さんをお父さんと
呼んでから咲茉は、私の事を
お母さんと呼ぶようになった。

たまに、ママと呼ぶときもあるが
咲茉なりの切り替えだと思っていた。
本当に優しい子だ。

陽史さんもその事を
良く理解してくれている。

咲茉は、一級建築士の勉強をしている
律に会いに行ったりしている。

この間、由紀子さんと律と三人で
食事をした時に
「パパに新しいお嫁さんが
できるまで咲茉は、パパ会いにくるね。
おばあちゃまとは、ずっと会うけど。」
と、二人に言ったと由紀子さんから
知らされた。
律は、「パパともずっと会おう」
と、言ったら
「ごめんね。咲茉ね
お父さんとお母さんが大切なの。
パパは、新しいお嫁さんから大切に
して貰えば良いでしょ。」
と、言われたらしく
由紀子さんから、
「咲茉は、本当に優しい子よ。」
と、言って貰えた。

その話を陽史さんにも
伝えると
「俺に遠慮してないかな?」
と、こっちもこっちで人の良い
だから
「咲茉が決めた事だからね。」
と、伝えると
「青木さん、ショックだっただろうね。」
と、言う陽史さんに笑ってしまった。

そんな風に考えていたら
陽史さんの実家の駐車場についた。
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