こんな思いを···いつまで

···翼と静


鮎川財閥の方が帰ってから
静の機嫌が悪い。

鮎川財閥の総帥が
言った内容がわかったのだろうか?

なんと言っても
大倉は、鮎川財閥より格下だ。
提携することで
大きな利益をもたらす。

俺と父親の考えで静を愛人として
俺の元に置く事にしたが
間違いであったのだろうか

俺のマンションに当然のように
一緒に帰る静に
「明日からは、別々に帰ろう。」
と、伝えると
静は、なにも言わずに
玄関から入り
いきなり振り向き
「私は、絶対別れないからね。
愛人の話しも、子供の話しも
翼からしたんだよ。
私は···私は···屈辱でも
翼といたいから
翼と離れたくないから
受けたんだよ。
今更、要らないとか言わないでよ。
言ったら、私、死ぬから。
そしてSNSで拡散するから」
と、泣く
俺は、静を抱き締めて
「苦しめて、ごめん。
傷つけて、ごめん。」
と、言う。

追い詰めるつもりはないが
俺と静だけの問題ではないんだが
一般家庭に育った静には
わかるはずがない。

だいたい、今までなにも言わなかった
父・社長(総帥)が
静に苦情を言ったのも
静の怒りに火をつけた。
全く····人の気もしらないで。

料理もしない静に
とりあえずピザを注文して
食べて、風呂に入り
静を抱き締めて横になるが
朝まで機嫌は治らずに
今朝は、ギリギリになってしまったのだ。
まあ、いつも早くは····ないが。
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