SP警護と強気な華【完】

その一言に
柊は何かを察した。

「お嬢さん…アンタまさかッ!」

彼の嫌な予感は的中し…

「お金の、場所は…」

感情を無くしたように
カトレアは言葉を続けようとする。

「やめろ!カトレア!!
 言うなッ!」

柊は初めて彼女の名を呼び
言っちゃダメだと必死に叫んで止めるのだが。

「お爺様の部屋の…地下よ」

その声は
カトレアには届かなかった。

「そうか…地下にあったのか。
 これでわかった。
 ありがとう、カトレア。
 さすが僕の可愛い娘だ」

冷たさから一転。
優しく父親らしい微笑みを娘に向け
カトレアから手を放して解放した。

「場所はわかった。
 早速、頂きに行こうか」

放心状態のカトレアは
その場にペタリと座り込み
屋敷に入ろうとする父親を止める事が出来ない。

今度こそ全てが終わる。
誰もがそう思ったが
遠くからパトカーの音が――

柊が応援を呼んでいたため
数台のパトカーがこちらへ向かってきたのだ。

「ちッ
 もう目の前だっていうのに」

父親は悔しそうに
男2人を連れて車に乗り込み去っていった。
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