SP警護と強気な華【完】
けれどカトレアには
柊が生きていた事の喜びの方が嬉しくて。
「良かった…
柊さんが、生きていてくれて…
もうダメかとッ
もう会えないんじゃないかってッ
それが1番…苦しくて、辛かった」
抱き着いたまま
ただただ涙が溢れるばかり。
「お嬢さん…」
柊は穏やかに優しい目で見つめながら彼女の頭を撫でると落ち着いてきたのか、ゆっくりと体を離れていく。
「本当に良かった。
幽霊じゃないんだね」
「霊って…あのなぁ
ホラーかよ」
病院に幽霊…
無くはないかもしれない。
「あの金は
結局どうしたんだ?」
「あ、うん。
全部寄付したよ。
あんなのあっても誰も幸せにならないから」
『そうか…』と
複雑な表情をする柊。