SP警護と強気な華【完】
しかし焦る柊とは別に
本人の口からは…

『いえ…
 たぶんもう犯人はいないので
 隠れなくても大丈夫かと思います』

「は!?どうしてそう言い切れんだよッ」

『どうしてって…
 部屋中を見てまわりましたが
 誰もいなかったのを確認しましたし…』

「は、はぁぁぁ!?
 アンタ…まさかッ」

柊は落ち着きを払っているカトレアの声に
命を狙われているのに自ら危ないところに飛び込んだ事を恐ろしく思いつつ
更に走る速度を上げていく。


家に到着した時には
カトレアは門の外で柊が来るのを待っていた。

「お嬢さんッ!
 なに無茶やってんだよ!!」

「…へ?」

再会するや否や
いきなり柊から怒鳴られ
カトレアはキョトンとする。

「わかってんのか!?
 もし犯人がまだ隠れていたら
 今度こそ殺されていたかもしんねーんだぞ!!
 命を守れって言っただろうが!!!」

「そう…ですけど
 気になっちゃって、つい…」

めちゃくちゃブチ切れる柊の勢いに押され
『すみません…』と苦笑いしながら謝罪。



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