LOVE and DAYS…瞬きのように

「ま、夜にひとりでうろつくのは、よくねぇな。
今日はたまたま俺が見つけたからよかったけど、もしお前に何かあってみろ。俺はあんな風に笑えねぇぞ」


そう言った健吾の瞳が真剣だったので、あたしは急に、申し訳ない気持ちになった。
 

たしかに、ひとりで夜に出歩くなんて無防備だったと思う。

さっきは運がよかったけど、もしあの男が悪い人間だったら。

そしてもし健吾が来てくれなかったら。


「ごめん、なさい」
 
唇をとがらせて、ぼそっとつぶやいた。
 

うん、あたしが悪かった。

悪かったと思うよ。だけど……。
 

今日もまた、お母さんが夜勤で、お姉ちゃんは友達と遊びに出かけていて。


ひとりきりの部屋でご飯を食べながら、頭に浮かぶのは

健吾の顔しかなかったんだ。


「迷惑かけてごめん。帰るね」
 

背中をむけて歩き出そうとしたあたしを、健吾の腕が止める。


「ちょっと待てって。帰れとは言ってねぇだろ」

「でも……」
 

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