LOVE and DAYS…瞬きのように
「――健吾、お願いっ」
あたしは健吾の背中にしがみついて叫んだ。
「お願いっ……このまま遠くに連れて行って!!」
戸惑いの表情は一瞬で。
健吾はすぐに何か決心したような瞳になり、ハンドルを握った。
お母さんの声をかき消すエンジン音。
動き出した視界から、校舎が消える。
――『莉子……
ずっと一緒にいような。
お前には、俺がいるから』
健吾がいてくれるなら、もうそれだけでいい。
あたしたちを邪魔するもののない場所へ、行きたかった。