LOVE and DAYS…瞬きのように
「別に、あんたのためじゃねーって」
アキはいつもの調子で涼しく笑った。
まるで、こんなのどうってことない、と言うかのように。
「言っただろ? あんたが、健吾の女だからだって」
ポケットに手を入れたまま、アキは駅の方へと歩きだす。
「……うんっ」
あたしは明るい声でこたえて、アキの背中を追いかけた。
澄み切った秋の空の下。
最高の友達たちと笑い合いながら、学校に向かう。
それは人から見れば、ただのありふれた光景だけど。
あたしはこのとき、はっきりと前に進めた気がしたんだ。