LOVE and DAYS…瞬きのように

「ねぇねぇ、早くアキも退院して、みんなでお祝いしようね。
健吾の合格祝いも兼ねて、パーッとさ」


「あぁ……そうだな」
 


アキの顔にいつもの微笑みが浮かんだ。
 
あたしもフフッと笑って、花瓶の花をきれいに整える。



「莉子」


「んー?」



「健吾と、仲良くしろよ」

 

あたしは花をいじる手を止めて、アキの方を振り返った。


「……何? いきなり」
 

照れ隠しのようにあたしは笑ってみたけれど。

アキは穏やかに微笑むだけで、何も答えない。



「アキ?」
 


何度も名前を呼んているのに。

アキの返事は、なくて。



「ねぇ、アキ?」
 



 アキ……?

 



 アキ――…?







< 514 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop