LOVE and DAYS…瞬きのように

ミツルや真由ちゃんも集まって、教室の後ろが急に騒がしくなった。


1年の教室に健吾がいるなんて、ちょっと変な感じがしてドキドキする。


「あれ? 莉子ちゃん、アキの隣なんだ?」
 
シンさんが机を見下ろして言った。


「はい」

「じゃあさ、もしアキに手ぇ出されたら俺に相談しなよ」

「やめとけ。逆にシンに食われるぞ」
 

健吾がすかさず口をはさむと、シンさんのヘラヘラ笑顔がさらにヘラッとなった。


「俺がそんなことするように見えるかぁ?」

「見えるじゃなくて事実だろ。アキが女に手ぇ出すとこは想像つかねぇけど」

「ひどいなぁ〜、ケンケン」

「ケンケンって呼ぶな!」
 

そんなふたりの楽しそうな口喧嘩を、アキさんは涼しい表情で聞いている。


それぞれタイプの違う3人だけど、アキさんは妙に落ち着いているというか。

ミツルの言うとおり、つかみどころがない感じ。


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