ずっと気づかなかっただけ。
第1章 幼なじみ

真白side

「チカくん!起きて!朝だよー!」

私、結城真白(ゆうき ましろ)の日課。

それは、お隣の幼なじみの家に侵入すること。

「…起きてる。何回も言ってるよな?玄関から来いって。」

真っ黒なストレートで柔らかそうな髪の毛。

眠そうに欠伸しながらベットの上で伸びをする彼。

ひとつ年上で、

幼なじみの水瀬千景(みなせ ちかげ)。

少女漫画に出てくるであろうビジュアル。

…素晴らしい。

朝は寝癖が少しついてるのも、

おそらく私しか知らない。

「ふふっ」

「何笑ってんの。」

「いやいや、幼なじみの特権だなと!」

私の回答に目を細めて、

呆れた顔をする。

ひどい!

でもそんな顔も絵になる。

そう、ここまでくればもうわかるように、

私はチカくん推しなのだ。
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