【完】傷だらけのプロポーズ

昨日大河さんのお母さんに挨拶をさせてもらったからだろうか。 いや、それより前に朝比奈に会って言われたんだ。



’そんな事より、今度うちの実家に来いよ。母さんが美麻に会いたがってるんだ’

どうして大河さんと付き合えて幸せな時間に、朝比奈の言葉を思い出しているのだろう。 …おばちゃん、元気かな?

昔から家族ぐるみの付き合いだった。 朝比奈と中学が一緒になって友達になってからも、何度も家に行った。


考えるのは止そう。 朝比奈は、自分の彼女とおばちゃんに会いに行くべきだ。

私は大河さんと付き合う。 自分を隠して、偽りの中で騙して誰かと付き合う。偽りの先には別れしかないと今までの経験上知っているのに。 何度繰り返せば私は変われるのだろう。

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