【完】傷だらけのプロポーズ

「美麻は真澄ちゃんに感謝してたよ。 つーかお礼言い忘れてたって後悔してたし。
庇ってもらえて嬉しかったって。 …あいつの顔のあざは生まれつきなんだ。本人も昔からすごい気にしてて…
だからこれからもしも会っても普通に接してあげてくれたら嬉しい」

その言葉にくすりと小さく笑う。

「やっぱり朝比奈さんって優しい…。
知らなかったから驚いただけで、色々と考えたんですよ。自分なりに…
もしも自分の立場だったら、すっごく気にしちゃうんだろうなあって。 可哀想って同情している自分もどこかにいて
偉そうですよね、可哀想って思うこと自体差別をしているのと同じなのに…。
でも、朝比奈さんにとってはそれを全部含めて小田切さんが好きなんですよ。 そんな強い愛情になんて、全然敵わないなあって思っちゃった…」

別れ際、彼女は最後まで笑っていた。
もう連絡はしない。そう言って。

真澄ちゃんと付き合ったとしたら、楽しかったかもしれない。

可愛くて性格の良い彼女は、連れて歩くのには最高だし、一緒に居て楽しい時間を過ごせたかもしれない。

でもどうしても無理だ。自分の中の美麻は全然消えてくれない。

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