【完】傷だらけのプロポーズ
13「15年越しの想い。」

13「15年越しの想い。」




『きちんと会って話したい。』

3日程、大河さんのメッセージに返信を出来なかった。
着信も何件か着たけれど、結局出る事は出来なかった。

顔を見てきちんと話さなくてはいけない。いつまでも逃げてばかりいられないって分かっている。

「あああああ…!」

化粧品カウンターで頭を悩ませていると、隣で佐江ちゃんがびくりと肩を揺らした。

「びっくりしちゃうなあ、美麻さんどうしたんですか?ここ数日変ですよ」

「はぁー…」

「何ですかあ、そのわざとらしいため息は。
幸せいっぱいでしょ~?副社長とは最近どうですかあ?」

「どーもこーも……」

最近の私の頭の中はおかしいのだ。 勿論大河さんの事で悩んでいる。 けれど、それ以上に朝比奈の事ばかり考えている。

私、嬉しかったんだ。 朝比奈が真澄ちゃんと付き合っていないとはっきりと明言してくれた事が。

真澄ちゃんに悪いと思いながら、朝比奈が庇ってくれた事も。

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