【完】傷だらけのプロポーズ

「本当にお前は高校時代から変わらないなあ。 いや、精神年齢は中学2年生か。 その歳になってまで好きな女を苛める事でしか好意を示せないとか呆れるつーかビックリするわ…。」

「うるさい…。
大体こんなにずっと一緒に居て俺の気持ちに気が付かないあいつが悪い…!
だって普通分かるだろう?互いの家に自由に行き来して、そりゃあ泊まったりはしないけど…でも夜中まで男の家に居るって意味、分かるだろう?
それなのに何故あいつは気が付かない?! あいつの近くにずっと一緒に居た男は俺だ」

こじらせすぎた初恋は、中学時代から続いている。
朝比奈 夏樹。 28歳。未だに本気で好きな女は、中学時代から変わらない。
それを卓は「病気」だという。  それでも仕方がないのだ。

小田切 美麻とは中学からずっと一緒。高校から、大学。果ては就職先まで。

勿論全部美麻情報を元に、俺が追いかけた形だ。 話だけ聞けばプチストーカーと呼ばれても仕方がない。

「つーかさ、そもそもの疑問。 夏樹ってどうしてそんなに美麻が好きなの?」

「どうしてって…あいつめっちゃ可愛いじゃん…」

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