カフェのイケメン君が私のウソ彼です
それが藤堂さんに伝わったのか、少しずつ縮まる私たちの距離。






そして私たちの距離がゼロになる…






ことは無かった。


下を向いたままでも藤堂さんと距離が開いていくのが分かる。






「ごめんなさい。」


私が拒むように顔をそむけてしまったのだ。
藤堂さんのことを嫌っているわけではないのに。
むしろ好きになりたいくらいなのに。


「潤さん、前に好きな人とは蹴りつけてきた、っておっしゃってましたよね。」


確かに言った。浩くんに分かれを告げることができたのは、藤堂さんのおかげだと思っていたから。


「その時、自分の気持ちを伝えてから終わりにしてきましか。」


そんなことはしていない。
浩くんに私が好きな人は藤堂さんではないかって疑われて、悲しくなってサヨナラだけ言ってきた。


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