カフェのイケメン君が私のウソ彼です
来なくなってあまり時間が経っていないはずなのに、なんだか懐かしく感じてしまう店内。


けれど中には人がいなかった。


大きな窓に目を向ける。私のいつも座っていた席。
あそこから見える景色は特別だった。昼はどこまでも果てしなく続く空を眺め、夜はネオンに色づいた街を見ることができた。


ガタガタと物が落ちる音がして振り返る。


「潤…なんで…」


「浩くん」


再び会えた喜びと安堵で涙が出そうになる。


「え、ちょ、待って。意味わかんない…え、てか、泣かないで。潤泣かれるとどうすればいいかわかんなくなるから。」


「うん。ゴメン。」


我慢しきれず零れ落ちてきてしまった涙をぬぐう。
あまりに焦るからおかしくて泣き笑いになってしまう。


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