カフェのイケメン君が私のウソ彼です
手を伸ばしてみるもののなかなか届かない。


もういいや。
鳴らしたままスマホに意識を向ける。


それでも止まることなく私をせかすようになり続ける。


もう、うるさい。
音が大きくなるアラームを止めるために起き上った。


そのまま外出するための準備をする。


会社に行くときよりもちょっとだけ濃いメイク。
メイクは好きじゃないから、会社にはナチュラルメイクという名の手抜きメイクがほとんどだからね。


最近は週末にいつもこのメイクをしているけれど、なかなか自分自身の姿に見慣れない。


鏡の自分に向かって愛想笑いをつくる。
大丈夫。今日もちゃんと笑えている。
自分自身に言い聞かせてから、鏡の前から立ち上がった。


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