白銀の王子様
「あっ、三波!」

そして今日何度目かの呼び掛け。

反応速度も速くなって、私はすぐに声がした方を振り返った。

「はーい!」

そこには見慣れたクラスメイトの姿。

「三波、忙しいとこ悪いんだけど、あとで壁打ち場にドリンク持ってきてくれないか?」

彼は眉根を寄せながら申し訳なさそうに顔の前で手を合わせた。

「あ、うん! 持っていくよ!」

* * *

「えっと、ドリンクは…………あった!」

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