妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~

屋上の天使








僕には彼女が、天使に見えた。




僕が妖守を初めてかなり経つ、小学校の頃から父を手伝っていたので恐らく10年程。





しかし、妖守の仕事中に屋上に人が入ってきたのは初めてのことだった。





しかも駆け込んでフェンスに体当たりするようにして彼女は現れたものだから、



僕はもしかすると自殺かもしれないと思い、咄嗟に肩を掴んで思いとどまるように声をかけた。





しかしそれは僕の早とちりで、彼女はフェンスの向こう側に向かって思いっきり叫んだだけだったのだ。




僕はほっと胸を撫でおろした。

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