好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



とか言ったら、いろいろ言われそうだから言わないけど。


胡桃から視線を逸らすけど、胡桃が俺の前に移動してくる。



「痛い」

「悪い」

「目、合わせて」

「それはごめん」

「なんでそこだけちゃんと謝るの」



仕方ねぇだろ。

いま胡桃を見たらやばいって。


いつもは俺のちっぽけなプライドで出してないけど、ほんとはいつでも胡桃に触れたいしめちゃくちゃにしたい。

強引にでも奪いたいって思ってる。



「……優しくしてよ」

「胡桃……?」

「こんなときくらい、優しくしてくれてもいいじゃん」



思わず胡桃を見てしまった。

白くてきれいな肌に、サラサラなストレートの茶色がかった髪。


拗ねたように膨らませた頬に、俺をまっすぐに見るブラウンの瞳。



あ、もうやばい。


ゆっくりと胡桃に手を伸ばす。

理性が崩れそう。




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