好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



学食を利用する人は多いみたいで、混みあっている。

ここまで多いとは……。



「わたし席とっとくね」

「ありがとう」


キョロキョロして席を探すと、窓の近くの席が4つ空いていた。

そこに決めて、席をとる。


座って学食内を見回した。

先輩も同級生もいる。


いっくんはいつもお弁当を持って行ってるから、教室で食べてるのかな?

学校でのいっくんのこと、わたしはなにも知らないなぁ……。



「お、あの子かわいい」

「1年?」

「声かけてみろよ」



わたしの前で止まった男子数人。

ネクタイの色が青だから2年生だとわかった。


声が大きいから聞こえてるんだけど……。

そう思いつつ目の前にいて顔を逸らすのもあからさますぎると思い、にこっと控えめに微笑む。



「うわ、かわいい」

「ほらいけって」

「いまチャンスだろ」

「でも勇気でねぇ」

「ヘタレか」


そんなわたしの前で、聞こえる声で話してる時点で勇気でないもないでしょ。


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