好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



わたしも廉の家の構造を知っている。

小さい頃、よく遊びに行っていたから。


でも、奈子ちゃんも知っているんだ。


いとこだから。



特別だと思っていた幼なじみが、それほど特別に感じなくなる。


手洗いうがいを済ませると、おんぶがめんどくさくなったのか軽々とお姫様抱っこをしてわたしを部屋に運んでくれた。




「じゃあな。足はちゃんと冷やせよ」



ねぇ、そんなあっさり?

もう家に帰るの?


だって、廉の家にはいとこの女の子がいるんだよ。

お泊まりなんでしょ。


いとこといっても、女の子だよ?




「……胡桃?」


思わず、わたしに背を向けた廉のシャツをつかんで引き止めていた。

完全に無意識。


でも、無意識に止めるということはそういうことだ。



「……いやだよ」

「え?」

「行かないでよ」

「っ、胡桃……」



奈子ちゃんは廉の家に泊まるんでしょ?

廉のベッドで寝るの?


それね、けっこういやだよ。



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