男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
序章
 猫はたくさんのたましいを持っていて、九回も生まれ変わることができる。
 まだたましいが残っている猫は死した後、毛皮を着替えてこの世に戻ってくるのだ。

 猫の魔獣であるノージーは、すでに八つのたましいを使い果たし、あとがなかった。
 だというのに、まだ目が見えたばかりのちっぽけな彼は、今にも死にそうな目に遭っている。

 ──ギャア、ギャア、ギャア!

 木の上から、恐ろしげな声が聞こえてくる。
 声の主は、カラスだ。
 真っ黒な羽をバサバサさせながら、意地の悪い顔で笑っている。

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